2008年07月01日
橙に包まれて
橙に包まれて
(パースの宝物2004年6月)
太陽が西の空にずいぶんと傾いたことに気づき、ウォーキングルートを戻ることにした。
南半球はこの時期冬であるが、強い日差しは夕方になっても変わらない。
広い空の下を歩きながら大地の中にいる自分がちっぽけに感じ、それでも今の自分は凄いことをしているんだという思いもある。
オーストラリア大陸に立っていると思うだけで、地球はでっかいっていつも思うのは僕だけかな。
【もうすぐ陽が落ちる】
コテージのすぐ前の砂浜に降りて、傾きかけてきている陽を目で追いかける。
さっきまで青い空が広がっていたモンキーマイアも徐々に橙色に変わりつつある。
浮かんでいた太陽が大地に吸い込まれていくのはあっという間だった。
このわずかな時間を惜しむかのようにカメラを向け、シャッターを押す。
写真を撮るだけではもったいない。
自分の目でもその瞬間をしっかり見ていたいのに、あっという間に大地の裏に隠れ始める。
都会でこんな夕日を見ることはない。
小さかった頃、故郷の北海道で眺めた夕日ってこんな感じだったかな・・・。
それでもこんな色の空は今までに見たことがないような気がする。
いやもしかしたら以前にここで見たのかもしれないが、あまりにも美しく不思議な色だったので、僕は今、この瞬間の感動で過去の美しい景色を全部忘れてしまったようだ。
人のざわめきも波の音も風の音も何も聞こえない。
この瞬間を感じたときにはまるで時間が止まっていると思うほどだった。
カメラを持つ手も何だか震えているように思う。
止っているように感じるその時間をどうやって写せばいいのか・・・なんて思いながらシャッターを押す。
【黄昏ってこういうのをいうの?】
太陽が沈むのがあっという間でカメラをセットしているなんていう余裕がない。
ピントが合っているのかどうかなんて考えていたらあっという間に太陽はなくなりそうで、ひとり砂浜で焦っているんだけど、そのときの心境なんてきっと誰もわからないだろうなぁ。
それでもシャッターチャンスは逃さない(つもり)。
【橙】
西の空全体が橙色に変わり、どこを見ても全てが輝いて見える。
海に浮かぶボートは勿論、砂浜も建造物もこの太陽の光の当たる部分全てが橙色の世界なのである。
思わず写真を撮る手が止まる。
この一瞬を明日は見ることができないかもしれない、と思ったら写真を撮るよりも自分の目に焼きつけておくほうがいいんじゃないかな。
僕の中で葛藤が生まれてくる。
・・・
2008年7月1日の日記
参った、参った
帰宅途中、新宿駅にて駅内放送。
山手線内で人身事故が発生。
そのおかげで、僕の乗る埼京線はとんでもないことに。
階段からすでにごった返していて、ホームに登ったかと思ったら一歩も進まない状態。
電車に乗って押しつぶされるのは覚悟していたものの、それ以前の問題。
ホームから電車に乗るまで、なんと2本も電車を見送らなければならなかった。
山手線での人身事故の影響は他の路線にとんでもない人の数を与えてくれたものである。
あ~、なんか疲れ果てちゃったよ。
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│「旅行(パース04年?)」編